FX投資:FX のトレード 5 : FX 業者を 2 つ使い分ける戦略
FX取引において、複数のFX業者を使い分ける戦略は、リスク分散や取引機会の最大化、さらには個々の業者の強みを活かす上で非常に有効です。本稿では、FX業者を2つ使い分ける具体的な戦略とそのメリット、注意点について、深掘りしていきます。
なぜFX業者を2つ使い分けるのか?
FX取引で1つの業者に絞るのではなく、2つの業者を使い分けることには、いくつかの明確なメリットがあります。これらを理解することで、より戦略的な取引が可能になります。
メリット1:リスク分散
システム障害やメンテナンス、あるいは予期せぬ取引規制の変更など、万が一、利用しているFX業者に何らかの問題が発生した場合でも、もう一方の業者で取引を継続することができます。これにより、取引機会の損失やポジションの強制決済といったリスクを大幅に軽減できます。特に、長期的な視点でFX取引に取り組む場合、このリスク分散は非常に重要となります。
メリット2:取引機会の最大化
FX業者によって、取り扱っている通貨ペア、スプレッド、約定力、提供されるツールや情報などに違いがあります。ある業者はUSD/JPYのスプレッドが狭く、別の業者はEUR/USDのスプレッドが有利といったケースは珍しくありません。2つの業者を使い分けることで、最も有利な条件で取引できる業者を選択し、取引機会を逃すことなく、コストを抑えながら、利益を最大化する可能性が高まります。
メリット3:各業者の強みを活かす
例えば、一方の業者は最新のテクニカル分析ツールが充実しており、もう一方の業者は高金利通貨のスワップポイントに優れているとします。このような場合、テクニカル分析を重視するトレードでは前者の業者を、スワップポイント狙いの長期投資では後者の業者を利用するなど、各業者の得意分野を戦略的に活用することができます。これにより、単一の業者では得られない、より柔軟で効果的な取引が可能になります。
メリット4:デモトレードとリアルマネートレードの併用
新しい戦略や手法を試したい場合、いきなりリアルマネーで取引するのはリスクが伴います。そこで、一方の業者でデモトレードを行い、もう一方の業者でリアルマネートレードを行うという使い分けも有効です。これにより、リスクを抑えながら、実践的な練習を積むことができます。
2つのFX業者を使い分ける具体的な戦略例
では、具体的にどのような組み合わせで2つのFX業者を使い分けることができるのでしょうか。いくつか代表的な戦略例を挙げます。
戦略例1:スプレッド重視型
短期売買を主体とするスキャルピングやデイトレードでは、取引コストであるスプレッドの狭さが収益に直結します。この戦略では、スプレッドが最も狭い業者と、スプレッドが多少広くても他の条件(約定力やツールなど)が良い業者を組み合わせます。例えば、USD/JPYやEUR/JPYといったメジャー通貨ペアはスプレッドの狭い業者で取引し、マイナー通貨ペアやクロス円は別の業者の有利な条件で取引するといった具合です。
戦略例2:スワップポイント重視型
高金利通貨を対象としたスイングトレードや長期投資を行う場合、スワップポイント(金利差調整分)が収益に大きく影響します。この戦略では、スワップポイントが高く設定されている業者と、取引ツールや情報提供が充実している業者を組み合わせます。スワップポイント狙いの取引は、スプレッドよりもスワップポイントの優位性を優先する業者を選び、それ以外の取引では分析ツールが充実した業者を利用するといった使い分けが考えられます。
戦略例3:ツールの機能性・情報提供重視型
最新のテクニカル指標やカスタムインジケーターが利用できる業者、あるいは豊富で質の高いマーケット情報を提供してくれる業者を好むトレーダーもいます。この戦略では、分析ツールや情報提供に強みを持つ業者をメインにしつつ、サブとしてスプレッドが有利な業者や別の種類のツールが使える業者を組み合わせます。これにより、多角的な分析と迅速な情報収集が可能になります。
戦略例4:リスクヘッジ型
これは、異なるロスカットルールや異なる証拠金維持率を持つ業者を組み合わせることで、リスクを分散させる戦略です。例えば、一方の業者がゼロカットシステムを採用している場合、急激な為替変動による追証リスクを回避できます。もう一方の業者では、より有利なレバレッジで取引できるといった特性を活かすことも考えられます。ただし、この戦略は管理が複雑になりがちなので、十分な注意が必要です。
2つのFX業者を使い分ける際の注意点
2つのFX業者を使い分けることは多くのメリットをもたらしますが、一方で注意すべき点も存在します。
注意点1:管理の煩雑さ
口座開設、資金移動、取引履歴の確認、税金計算など、管理すべき項目が増えるため、煩雑さが増します。特に、複数口座間での資金移動には手数料がかかる場合や、最低移動額が設定されている場合があるため、事前に確認が必要です。
注意点2:税金計算の複雑化
FX取引で得た利益は総合課税または分離課税の対象となりますが、複数の業者を利用すると、損益通算や繰越控除の計算が複雑になる可能性があります。税務署から申告漏れや二重課税を指摘されないよう、正確な記録をつけることが不可欠です。
注意点3:冷静な業者選択の重要性
「なんとなく」で業者を選ぶのではなく、自身の取引スタイルや重視するポイントを明確にし、それに合致した業者を慎重に選ぶ必要があります。安易な業者選びは、かえって取引効率を低下させる可能性があります。
注意点4:余計な手数料の発生
業者によっては、口座維持手数料や入出金手数料、休眠口座手数料などがかかる場合があります。これらの手数料が取引コストを圧迫しないか、事前に十分確認しましょう。
まとめ
FX業者を2つ使い分ける戦略は、リスク分散、取引機会の最大化、各業者の強みの活用など、多くのメリットをもたらします。しかし、その一方で、管理の煩雑さや税金計算の複雑化といった注意点も存在します。自身の取引スタイルや目標を明確にし、メリットとデメリットを十分に理解した上で、戦略的に2つのFX業者を使い分けることで、より効果的で安全なFX取引を実現できるでしょう。
