FX投資:FX の注文 3 : MT4/MT5 での注文方法
FX投資において、取引プラットフォームであるMT4(MetaTrader 4)およびMT5(MetaTrader 5)での注文方法は、トレーダーが利益を上げるための基本となります。これらのプラットフォームは、世界中のFXトレーダーに広く利用されており、その操作性の高さと多機能性から、初心者から上級者まで多くのトレーダーに支持されています。
本稿では、MT4/MT5における注文方法について、基本的な概念から具体的な操作手順、さらには注文方法ごとの特徴や注意点などを詳しく解説します。
MT4/MT5における注文の基本
MT4/MT5での注文は、主に「成行注文」と「指値・逆指値注文」の2種類に大別されます。これらの注文方法を理解し、適切に使い分けることが、有利な条件で取引を行うための鍵となります。
成行注文
成行注文は、その名の通り、現在の市場価格で即座に注文を成立させる方法です。最もシンプルで迅速な注文方法であり、特に市場の変動が激しい状況や、エントリー・エグジットのタイミングを逃したくない場合に有効です。
MT4/MT5での成行注文の手順は以下の通りです。
- 取引したい通貨ペアを選択: 「気配値表示(Market Watch)」ウィンドウで、取引したい通貨ペアをダブルクリックするか、右クリックして「新規注文」を選択します。
- 注文画面の表示: 新規注文画面が表示されるので、「通貨ペア」「ロットサイズ(取引数量)」などを確認・設定します。
- 「Buy(買い)」または「Sell(売り)」ボタンをクリック: 希望する方向のボタンをクリックすることで、即座に注文が執行されます。
成行注文のメリット:
- 迅速な約定: 市場価格で即座に取引が成立するため、エントリー・エグジットのタイミングを逃しにくい。
- シンプルで分かりやすい: 操作が簡単で、FX初心者でも迷わず利用できる。
成行注文のデメリット:
- スリッページのリスク: 市場の急変時には、注文時と約定価格が乖離する「スリッページ」が発生する可能性がある。
- 不利な価格での約定: 常に最新の市場価格で約定するため、必ずしも有利な価格で取引できるとは限らない。
指値・逆指値注文
指値注文と逆指値注文は、あらかじめ指定した価格で注文を成立させる方法です。これにより、トレーダーは市場を常に監視していなくても、有利な価格での取引機会を捉えることが可能になります。
指値注文(Limit Order)
指値注文は、「現在の市場価格よりも有利な価格」で注文を成立させたい場合に利用します。例えば、現在のレートが1ドル150円の場合、
- 買い指値: 1ドル149円など、現在の価格より円高(安値)になったら買いたい場合。
- 売り指値: 1ドル151円など、現在の価格より円安(高値)になったら売りたい場合。
MT4/MT5での指値注文の手順は以下の通りです。
- 新規注文画面を表示: 成行注文と同様に、新規注文画面を開きます。
- 「新規注文」タブを選択: 「成行注文」ではなく、「新規注文」タブを選択します。
- 「注文種別」で「指値注文」を選択: ドロップダウンメニューから「Buy Limit(買い指値)」または「Sell Limit(売り指値)」を選択します。
- 「価格」に希望するレートを入力: 希望する約定価格を入力します。
- 「ロットサイズ」などを設定し、「注文」ボタンをクリック: 設定後、注文を確定します。
逆指値注文(Stop Order)
逆指値注文は、「現在の市場価格よりも不利な価格」で注文を成立させたい場合に利用します。これは、損切り(ストップロス)や、トレンドの継続を狙ったエントリーなどに用いられます。
- 買い逆指値: 現在のレートが1ドル150円の場合、1ドル151円など、上昇トレンドが継続すると判断した価格を超えたら買いたい場合(Buy Stop)。
- 売り逆指値: 現在のレートが1ドル150円の場合、1ドル149円など、下降トレンドが継続すると判断した価格を下回ったら売りたい場合(Sell Stop)。
MT4/MT5での逆指値注文の手順は、指値注文とほぼ同様です。
- 新規注文画面を表示: 成行注文と同様に、新規注文画面を開きます。
- 「新規注文」タブを選択: 「成行注文」ではなく、「新規注文」タブを選択します。
- 「注文種別」で「逆指値注文」を選択: ドロップダウンメニューから「Buy Stop(買い逆指値)」または「Sell Stop(売り逆指値)」を選択します。
- 「価格」に希望するレートを入力: 希望する約定価格を入力します。
- 「ロットサイズ」などを設定し、「注文」ボタンをクリック: 設定後、注文を確定します。
指値・逆指値注文のメリット:
- 有利な価格での取引: 事前に指定した価格で約定するため、不利な価格での取引を回避しやすい。
- 自動売買: 市場を常に監視する必要がなく、自動的に取引が成立する。
- 損切り設定: 逆指値注文は、損失を限定するための重要なツールとなる。
指値・逆指値注文のデメリット:
- 約定しない可能性: 指定した価格に到達しない場合、注文は成立しない。
- スリッページ: 指値注文でも、市場の急変時にはスリッページが発生し、指定価格と異なる価格で約定することがある。
- 複雑さ: 初心者にとっては、指値と逆指値の使い分けに戸惑うことがある。
MT4/MT5での注文方法:具体的な操作画面と機能
MT4/MT5では、注文方法をさらに細分化し、トレーダーのニーズに応じた多様な注文機能を提供しています。
OCO注文(Order Cancels Order)
OCO注文は、2つの注文のうち、どちらか一方が成立した場合にもう一方の注文を自動的にキャンセルする注文方法です。これは、相場がどちらかの方向に大きく動いた際に、その方向についていく、あるいは損切りを行うといった戦略に有効です。
MT4/MT5の標準機能ではOCO注文は直接設定できませんが、多くのFXブローカーが提供するカスタムインジケーターやEA(Expert Advisor)を利用することで、OCO注文と同等の機能を実現できます。
IFD注文(If Done Order)
IFD注文は、ある注文が成立した場合に、別の注文を執行する注文方法です。例えば、まず成行注文でエントリーし、そのエントリーが成功したら、利益確定の指値注文と損切りの逆指値注文を同時に設定するといった使い方ができます。これもMT4/MT5の標準機能ではありませんが、カスタムインジケーターやEAで実現可能です。
IFOCO注文(If Done Order, One Cancels Order)
IFOCO注文は、IFD注文とOCO注文を組み合わせたものです。ある注文が成立した場合に、2つの注文のうち、どちらか一方が成立したらもう一方をキャンセルするという、より複雑な注文設定が可能です。これもカスタムインジケーターやEAでの対応となります。
トレール注文(Trailing Stop)
トレール注文は、損切り注文(ストップロス)を、価格の変動に合わせて自動的に追随させる機能です。例えば、利益が100pips出たら、損切りラインも100pips上昇させるといった設定が可能です。これにより、利益を伸ばしつつ、急な価格変動による損失を防ぐことができます。
MT4/MT5では、カスタムインジケーターやEAを利用することでトレール注文を実現します。
注文方法の選択と戦略
どの注文方法を選択するかは、トレーダーの取引スタイル、市場分析、そしてリスク許容度によって異なります。
- 短期・デイトレード: 市場の動きに素早く対応できる成行注文が中心となることが多いですが、スキャルピングなどでは、スリッページを避けるために指値・逆指値注文を細かく設定することもあります。
- スイングトレード・長期投資: 週末や就寝中など、市場を監視できない時間帯に備えて、指値・逆指値注文を積極的に活用します。特に、損切り設定は必須となります。
損切り(ストップロス)の重要性:
どのような注文方法を選択するにしても、損切り設定はFX取引において最も重要な要素の一つです。感情に流されず、あらかじめ決めた損切りラインで損失を確定させることは、長期的にFXで生き残るために不可欠です。
利益確定(テイクプロフィット):
同様に、利益確定の指値注文を設定することも、利益を確実に手に入れるために重要です。欲張って利益を伸ばそうとしすぎると、かえって利益を失ってしまうことがあります。
MT4/MT5での注文時の注意点
- スプレッドの確認: 注文を出す際には、必ずスプレッド(買値と売値の差)を確認しましょう。スプレッドは取引コストとなり、特に成行注文では、スプレッドの広さが約定価格に影響を与えることがあります。
- ロットサイズの設定: 自分の資金力やリスク許容度に見合ったロットサイズを設定することが極めて重要です。過大なロットサイズは、わずかな価格変動で大きな損失を招く可能性があります。
- サーバー時間と日本時間のずれ: MT4/MT5のチャートに表示される時間は、利用しているFXブローカーのサーバー時間です。日本時間とはずれがあるため、注文のタイミングを計る際は注意が必要です。
- 経済指標発表時の注意: 重要な経済指標の発表前後は、市場が大きく変動し、スリッページが発生しやすくなります。このような時間帯での成行注文は特に慎重に行う必要があります。
まとめ
MT4/MT5での注文方法は、FX取引の成否を左右する重要な要素です。成行注文、指値注文、逆指値注文といった基本的な注文方法を理解し、それぞれの特徴を把握することで、トレーダーはより有利な条件で取引を行うことができます。また、OCO注文やIFD注文、トレール注文といった応用的な注文方法や、カスタムインジケーター・EAの活用も、取引戦略の幅を広げる上で有効です。何よりも、損切り設定を徹底し、リスク管理を怠らないことが、FXで成功するための絶対条件と言えるでしょう。ご自身の取引スタイルに合わせて、最適な注文方法を選択し、計画的な取引を心がけてください。
